予備試験の要件事実のポイント
予備試験の論文には実務基礎科目があります。
実務基礎科目の民事で大きなポイントとなるものの一つは要件事実です。
要件事実についてしっかりと勉強していないという人もいらっしゃると思います。
そこで、今回は要件事実のポイントについて述べたいと思います。
実務科目の重要性
実務科目は刑事と民事に分かれていますが、各50点ずつです。
他の各科目と同じ配点となっています。
他の科目の勉強をすることも大切ですが、実務基礎科目で大きな失点をしないようにしましょう。
実務基礎科目の中でも要件事実は手薄になりがちですが、実はポイントをつかめば難易度はそれほど高くはありません。
ポイントをつかんで、得点源にしましょう。
要件事実で問われること
要件事実の問題で問われるのは、主に①訴訟物、②請求の趣旨、③請求原因等だと思います(ほかにもあったらごめんなさい)。
訴訟物
訴訟物は、簡単に言うと請求する権利のことです。
例えば、「売買契約に基づく代金支払請求権」です。
民訴でやっていると思うので、イメージはできると思います。
ポイントは、表現の方法をおさえることです。
例えば、「所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権」などは注意です。
注意すべき請求については、意識的に覚えましょう。
請求の趣旨
請求の趣旨は、判決の主文に対応する部分です。
例えば、「被告は、原告に対し、500万円を支払え。」などです。
請求の趣旨でも、表現に注意しなければならないものがあります。
例えば、抵当権設定登記の抹消手続を求める場合などは注意でしょう。
ここでは答えを割愛します。自信のない方は確認しておいてください。
請求原因・抗弁・再抗弁
要件事実というと、このパートをイメージする人が多いと思います。
簡単に言うと、効果を発生させるための最低限の要件は何かということです。
まず身に着けるべき第一段階は、各請求や抗弁についての要件がわかることです。
要件の基本は条文にあります。
条文をうまく活用して、要件を抽出できるようにしましょう。
注意点は、推定規定がある場合(例えば即時取得の場合の186条や188条)、要件が一つの条文にまとまっていない場合(例えば保証の書面性)などです。
自分が忘れがちな要件について、意識的におさえましょう。
第二段階は、要件を具体的事案に則して表現できることです。
この点についておろそかになてしまう人がいます。
要件をおさえても、要件を具体的事案に則して述べたものが要件事実になります。
過去問やテキストを通じて、事案に則した要件の表現をおさえましょう。
要件事実のポイント
要件事実のポイントは、覚える部分と理解する部分を区別して勉強することです。
要件事実は、何が要件になるかをある程度覚える必要があります。ただ、覚えるといっても条文が基礎なので、覚えることはそんなに多くありません。
重要なのは、なぜそれが要件になるのかを理解することです。
単に暗記するのではなく、なぜ要件になるのかを理解しなければ、応用的な問題に対処できません。
覚えるだけでなく、理解することも意識しましょう。
まとめ
時間がない中、要件事実まで手を回すのは大変かもしれません。
しかし、点数がとりやすい部分でもあります。
キチンと対策をして、高得点を狙いましょう。
参考にしていただけると幸いです。