司法侍〜司法試験・予備試験勉強法ブログ〜

令和元年予備試験合格。令和2年法科大学院修了。同年司法試験受験。司法試験・予備試験の勉強法について発信します。

司法試験対策!問題集はこう使え!

こんにちは!司法侍(@shihouzamurai)です!

今回は、司法試験や予備試験にむけて勉強するための問題集をどのように使うと効率的なのかということについて書きたいと思います。

私自身、法科大学院入試の際は問題集をうまく使えていましたが、法科大学院に入ってから問題集をうまく使えなかったなと思っています。このような経験も踏まえ、問題集をどのように使うべきかということについて書きます。

 

問題集は何を使うべきか

正直、ある程度評判の良いものであればどの問題集を使ってもよいと思います。問題集に完璧なものはありません。すべての範囲をカバーしている問題集はないですし、この1冊をやれば司法試験や予備試験は完璧というようなものはありません。

問題集は自分の実力を向上させるためのツールに過ぎないのであり、自動的に合格水準まで引き上げてくれるものではありません。問題集はツールに過ぎないので、自分の能力を向上させることのできるものであれば十分なのです。ツールが良いものであるより、ツールをどのように使うかのほうがよっぽど重要です。何を買うかを考えることに時間を使うより、さっさと問題集を買ってそれを使い込んだほうが良いです。

問題集を使う目的

 問題集を使う目的を一言でいうと、法律の基礎力をつけることにあります。具体的には、①問題抽出②論証の確認③あてはめの仕方を学ぶ、ということが目的だと考えています。以下具体的に説明します。

①について。司法試験や予備試験の問題は、条文をそのまま適示したのでは解決できないような問題が出題されます。そのため、法律を解釈して問題を解決しなくてはなりません。その、法律の解釈が必要になる部分が論点と言われるものです(多分)。論点として出題されるものには、出やすいものと出にくいものがあります。出やすいものについては、ある程度かけるように準備しておく必要があります。多くの人が書けるからです。つまり、ある程度、問題を見て瞬時に論点を抽出できるようにする必要があるのです。問題集では、この力を身に着ける必要があります。

②について。司法試験や予備試験では、論証を準備する人がほとんどです。論証とは、規範と規範を導く理由付けです。論証は抽象的なものなので、ある程度事前に準備することが可能です。時間制限のある司法試験や予備試験では、時間を省略できる部分は省略する必要があります。そのため、抽象的な部分は論証として準備しておくほうが有利です。②は、実際に事例が与えられ、論点が発見できたとしても、適切に論証することができるかを確認するということです。論証することができないものについては、しっかりと暗記等をする必要があり、自分で論証することができるまで問題集を繰り返し解く必要があります。論証については、↓こちら↓の記事も併せてご覧ください。 

shihouzamurai.hatenablog.com

 

③について。予備試験や司法試験は1行問題ではなく事例問題なので、当該事案について具体的に論じる必要があります。具体的には、規範を定立し(大前提)、規範を当該案(小前提)についてあてはめ、結論を導くという法的三段論法のなかの、小前提についてのあてはめの部分です。規範を当該事案についてあてはめるには、どのような事実を拾い、その事実にどのような評価をすればよいかという力が必要です。その力を養うために③を意識する必要があります。

以上で述べた①から③が問題集の主な目的です。

 

1周では身に着かない

 問題集で上記の力を身に着けようとするには、問題集を1週やっただけでは足りません。3週くらいは最低でも回したいところです。

1週目で①を確認し、また書くべきことの内容を理解し、2週目で②を確認し、3週目で③を確認するというイメージを持つとよいでしょう。1週目はほとんど読むだけのような形になってしまっても構わないので、何周も繰り返し問題を解きましょう。

 

 

問題集の欠点とその対処法

問題集には欠陥があります。それは、基本書に書いてある事項のすべてを網羅しているわけではないということです。どの問題集も、足らない部分があります。予備試験や司法試験に合格するには、問題集に載っていない知識も身に着ける必要があり、またその知識を事案でアウトプットできる必要があります。問題集で足らない部分は基本書や判例百選で埋める必要があります。基本書や判例百選を効率的に使うには、事案でその知識をどのように使うかということを意識しながらこれらを読むとよいです。アウトプットできない知識は無意味なので、使える形でインプットしましょう。問題集を繰り返し解くことで、基本書や判例百選の読み方も変わってきて、事例を意識して読むことができます。

終わりに(問題集を使うにあたって最も大事なこと)

問題集はなんとなく解いていても成長は少ないです。しっかりと目的意識を持つことが重要です。上記のような目的に沿って、自分はどの部分の実力を向上させるために問題集を解いているのかを意識しながら問題を解きましょう。問題集で間違えたりわからなかった部分について、自分に何が足らないかを自己分析し、基本書等で自分の穴を埋めましょう

問題集は、自分の実力を効率的に向上させる良いツールだと思います。問題集を使いこなし、試験に合格するのに十分な実力を身につけましょう。。

参考にしていただけると幸いです。