予備試験合格者の勉強法(刑法編) 使用した基本書や演習書も紹介!
こんにちは!司法侍(@shihouzamurai)です!
勉強法シリーズもいよいよ終わりが見えてきました。
今回は刑法です!
刑法は主要三科目と言われる科目のひとつですね。早い時期から勉強を始まる方が多いと思います。
刑法はイメージがつきやすいため勉強しやすい部分もありますが、勉強していくと理論的に難しい部分も出てくるという科目という印象です。
学説の沼に入りすぎないように注意しましょう。
では、さっそく参りましょう!
使用した教材
私は伊藤塾生だったので、基礎マスターテキストと論文マスターの問題研究をおもに使用していました。
他にも補助的に使用していた教材がありますので紹介します。
基本書
基本書は、『基本刑法』です。
正直、とてもおすすめです。
私は、予備試験の口述対策のために基本刑法を使用し始めました。
予備試験合格者に口述対策で何をすべきか相談をしたところ、基本刑法の事例を解くと良いよというアドバイスをいただいたのがきっかけです。
基本刑法の良い点①は、事例が豊富に掲載されており、問題となる場面のイメージがしやすい点です。
法律は抽象的に記載されている基本書が多いですが、具体例をイメージせずに勉強をしてしまうと、法律が嫌いになってしまいますし、理解するスピードも遅くなってしまいます。
その意味で、事例が豊富というのは良いポイントかなと思います。
良い点②は、論点を論点と明記しているため、どの点が問題になるのかが把握しやすい点です。
多くの基本書は、どの点が問題になるかが一目でわかるようにはなっていないというものが多い印象です。
基本刑法は、何が論点なのかが明記してあるので、受験生にとっては勉強がしやすいです。
今までになかったくらいほめていますが、それほどおすすめです。
リンクはこちらです。
他には、井田先生の『講義刑法学・総論』を使用していました。
少し難しいから詳しく知りたいというときに参照していました。
問題集
私は論文マスターの問題研究を使用していました。他には使用していません。
私の周りで使用していた人が多かったのは、『刑法事例演習教材』です。
刑法事例演習教材は確か答案例が載っていません。初学者からすると、答案例を参考にしたいと思う人が多いのではないでしょうか。そのため、答案例を何かしらの方法で入手するのが良いと思います。販売している人は少なくないと思うので多分手に入ります。
判例集
毎度のことながら判例百選です。
総論や財産犯の難しい部分については解説まで読み込みました。
あてはめの際には相場観をある程度つかむことが必要です。そのため、刑法では多くの事例に触れることが有用だと思います。
論証集
主に伊藤塾の論文ナビゲートテキストを使用していました。
他には、何かのイベントでもらった辰巳の趣旨規範を時々参照していました。
論ナビにくらべてしっかりと論証の形になっているわけではありませんが、論証すべき要点がまとまっていて良いと思います。
勉強法
では、勉強法に参りましょう。
論ずる順番
刑法でまず意識すべきは、構成要件→違法性→有責性の順に論ずることです。
検討すべき順番は必ずこの順番です(立場によるのかもしれませんが、これが一般的だと思われます。)。
事案に当たるときはこの順序で考えることを意識しましょう。
そして、勉強するときにはどの段階について学んでいるかということを必ず意識しましょう。
刑法で重要なポイント
刑法で重要なのはあてはめだと言われます。覚えることもそれほど多くはないので、あてはめもある程度しっかり勉強する余裕はあると思います。
構成要件や各規範に対し、事実を問題から適切に拾い、評価することが必要です。
問題演習を通じてあてはめを適切にできるように訓練しましょう。
問題集だけでなく、相場観を意識するためには判例を見ることも重要です。判例がどのような事案に対してどのような評価をしているかもしっかり確認しましょう。
問題集についてはこちらの記事もご覧ください。
刑法で難しい分野の一つに財産犯があります。
財産犯では、どの犯罪に当たるかの区別が難しかったりします。
例えば、令和元年の問題では、詐欺罪と窃盗罪の区別が聞かれています。皆さんはどの点が違うかを説明できますか?
2つの罪の違いについての有名な論点としては、横領と背任の区別がありますね。説明できるようになっていますか?なんとなくこんな感じという程度で終わっていませんか?試験で対応できる程度に頭が整理されていますか?
各犯罪はどのような違いがあるのか、そしてどの要件によってその区別がなされるのかといったことを意識して勉強しましょう。
近年の傾向
近年司法試験で重要視されているのが学説対立です。
2つの立場に言及しつつ罪責を論じさせる問題が出題されています。
自説について勉強するだけでなく、反対説を意識して勉強することが重要です。
学説対立を勉強する上で大切なのは、抽象的に違いを覚えるだけでなく、どのような事案で帰結が異なるのかということです。違いが出ないのであれば基本的に議論することは無意味なはずです。試験では、帰結が異なるような事案を聞いてくる可能性が高いです。具体例を意識しつつ学説対立を勉強しましょう。
最後に
いかがだったでしょうか。
刑法は近年司法試験の出題傾向が変更され、あてはめ重視から学説対立を聞く問題へシフトしつつあるように思います。
いままで重視して行われていたあてはめの訓練に加え、抽象的な論理の部分も怠らないように勉強しましょう。
前回の民訴法についてご覧になっていない方はぜひこちらもご覧ください。
参考にしていただけたら幸いです。
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